■アピール文章 きのあ将棋 ○作成 :2014/03/31 ○再作成 :2014/04/01 ...全面的に書き直し。 先に、アピール文書として「GUIの思考実験のまとめ」を提出したら # お手数ですが、昨年までのものを参照するなどして、 # 思考部についてもう少し記述していただけませんでしょうか。 と、再提出をもとめられましたので過去の実験結果や、現状と課題をもとに書き直しました。 ご迷惑をおかけしました。 ●きのあ将棋において、現状の特徴と課題(1) 現在のきのあ将棋では、 2011年から1手ごとに思考エンジンを実行して次の着手を考える方式を採用しています。 これは 「1台のマシンで沢山の相手と対局する目的」のためと、 「複数のマシンまたは、複数のプロセスでの思考」を管理しやすくする目的のためです。 副作用として、前回の着手以前のハッシュ表(局面の評価値や以前読んだ時の最善手)を 再利用できなくなるなどため、同じ局面数を読んだとしても、効率が落ち、勝率が若干落ちる傾向があります。 ▼当時のきのあ将棋にて、「1手ごとに思考エンジンを実行」に修正する前との自己対戦 ・実験日時 2011/04/09 04:26:27 ・対局数 634 ・勝率 48.3 % 参考として、きのあ囲碁のケースでの同様の実験は下記の通りでした。 ▼囲碁 9路 ・実験日時 2012/12/23 22:24:14 ・対局数 2399 ・勝率 48.0 % ▼囲碁 13路 ・実験日時 2012/12/24 08:09:47 ・対局数 1040 ・勝率 45.4 % ▼囲碁 19路 ・実験日時 2012/12/25 01:08:29 ・対局数 1020 ・勝率 44.4 % ※当時、ハッシュ値の算出の精度が低かったため、ハッシュ値の衝突率が低いプログラムでは差が大きくなると推測。 ※思考時間が長くなると、ハッシュの利用価値が上がるなどのため、差は大きくなると推測。 当時、想定していたよりも勝率の低下少なく 思考エンジンを強化する上でもデメリットよりもメリットのほうが大きい可能性があるため、この方式に移行しました。 現段階ではまだ、コンピュータ将棋選手権では 「複数のマシンまたは、複数のプロセスでの思考」のメリットを享受できていませんが、今年(2014年選手権)の課題としています。 ●きのあ将棋において、現状の特徴と課題(2) 現在のきのあ将棋では、 局面を評価する前に、プレイヤ1の進行度、プレイヤ2の進行度、統合進行度を算出しています。 それぞれ進行度をわけることにより、 不利になると「無意味な駒成り」「無意味な捨て駒」を行い進行度を調整して 評価値を調整するタイプの水平線効果を押さえる目的があります。 ある程度この目的は達成したのですが、まだ不十分なので課題としています。 ●きのあ将棋において、現状の特徴と課題(3) 現在のきのあ将棋では、 探索内部にて、「真深さ」(通常の探索)の前に、 手の評価値などから可能性が低い手ほど読みが浅くなる「仮深さ」を算出しこの深さを元に探索をしています。 この方法では、以前に思考を強化する上で大幅に貢献したのですが ある程度までの強さ以上を求めるときに、重要な手が読みぬけてしまう問題が発生しています。 (ルートに近い探索内部で、一時的に評価値の悪くなる重要な手を過度に浅く読み、実質的に読みぬける問題) 現状、この部分が局所的な最適解になっているロジックと思われるので、この解消を課題としています。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- せっかくなので、自信作(暫定版期限03/31のギリギリに書いたわりに)の前版も下記に残しておきます。 ただ、今回のアピール文書の意図と異なっていたようなので、ご迷惑をおかけしました。 ↓↓↓2014/03/31 の版↓↓↓ ■アピール文章 きのあ将棋 ○作成 :2014/03/31 思考エンジンの実験結果などの研究結果を提出したかったのですが、 時間を確保できないまま、アピール文章の提出期限がきました。 今年はまだ思考エンジンの改良は何もしていません。(やりたいことはいろいろあるけど) しかたがないので、以前に布団の中とかで行いましたGUIの思考実験のまとめを提出します。 将棋の将棋盤のマスは、長方形です。 ┌──┐ │ │ │ │ │ │ └──┘ チェスなどの盤のマスは、正方形です。 ┌──┐ │ │ │ │ └──┘ 長方形だといろいろ、錯覚(特に角道をとか)が発生しそうなのに なぜわざわざ長方形にしたのでしょうか? おそらく長方形なのは、2人の対局者は盤面の真上から見るのではなく 少し引いたところから斜めに将棋盤を眺めるはずです。 すると、長方形のマスが正方形に見えていい感じになるからと思います。 (・オ・) ↓ ↓ ┌──┐ │ │ │ │ │ │ └──┘ ↑ ↑ (・ー・) 現在、きのあ将棋のGUIでは正方形を利用しています。 (初期に正方形で画像を作成したためこれをひきずっている。) (たしか長方形が将棋では正しいのは知ってたけれど、なんで正方形にしたのかはあやふや。) これを長方形に修正しようとして、画像イメージで試してもなんだかしっくりきませんでした。 おそらく、デジタル媒体などで将棋盤を眺める際には、 ディスプレイを正面から(斜めではなく垂直に)見るためではないかと思います。 正面からみるのであれば、正方形のままのほうがみやすいですよね?たぶん。。 ┌─┐ │ │←(・ー・) └─┘ ですのでこれからも、 デジタル媒体であそぶ、きのあ将棋は正方形の盤面で行きたいと思います。 (遠い将来はわかりませんが。。。) おしまい。