世界コンピュータ将棋選手権 大会ルール 2006年12月24日制定 2007年12月19日改訂
第1章 総則
(定義)
第1条 この規程において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
- 一 CSA コンピュータ将棋協会
- 二 選手権 世界コンピュータ将棋選手権
- 三 対戦 選手権における個々の対局
- 四 試合 選手権の各日における、その日の全対戦
- 五 参加プログラム 選手権に参加するプログラム
- 六 使用可能ライブラリ 「世界コンピュータ将棋選手権使用可能ライブラリ規程」によって認定された世界コンピュータ将棋選手権使用可能ライブラリ
- 七 思考部 参加プログラムにおける、将棋のルールに則った指し手の決定部のうち、使用可能ライブラリを除いた部分。ただし、使用可能ライブラリを改造して用いる場合は、その改造した部分も含む
- 八 プログラム開発者 思考部に関連するコードの開発者
- 九 ルール委員会 CSAが任命した選手権ルール委員会
- 十 審判 CSAが任命した選手権審判
- 十一 対戦サーバ 主催者が用意した、CSAサーバプロトコルver.1.1.2に基づくLAN対戦用サーバ
(目的)
第2条 本規程は、選手権の参加資格、及び試合・対戦の進行方法について定めることを目的とする。
第2章 参加資格
(必須機能)
第3条 参加プログラムは、次の各号に掲げる機能を持たなければならない。
- 一 任意の局面・手番・残り時間からの将棋の対局の開始と継続。
- 二 任意の時点での、電源を落とす以外の方法による対局中断。
- 三 対局中の現在局面の表示(テキストでも可)。
- 四 第16条の規定による、1手毎の消費時間の計測、及び累計消費時間の画面への表示。
- 五 1手毎の指し手と消費時間の記録(対局中断時も、そこまでのすべての指し手と消費時間を取り出せなければならない)。
- 六 CSAサーバプロトコルver.1.1.2に基づく、LANによる対局。
- 七 相手の指し手の手入力による対局。
(推奨機能)
第4条 参加プログラムは、次の各号に掲げる機能を持つことが推奨される。
- 一 千日手の検出。
- 二 CSAの規定するRS-232Cプロトコルに基づく、RS-232Cを用いた対局。
- 三 通信で送受信した文字列の必要に応じた表示。
(思考部のオリジナリティ)
第5条
- 参加プログラムは、思考部を自作し、かつそれにオリジナリティがあるものに限る。
- 単なる定跡データは思考部には含まないものとする。単なる定跡データかどうかの判定が必要となった場合は、ルール委員会が判定する。
- 参加申込の際には、主催者が指定した申込用Webサイトにて、代表者名、及びプログラム開発者・開発予定者のすべての氏名を明記するものとする。代表者名、及びプログラム開発者・開発予定者全員の氏名は公表する。
- 代表者は、選手権の1次予選・2次予選・決勝の各日において、その日の対戦に用いた全バージョンのプログラム開発者全員の氏名、及び用いた使用可能ライブラリ名を、その日の結果発表時までに、所定の書式で選手権事務局に提出するものとする。プログラム開発者全員の氏名と用いられた使用可能ライブラリ名は公表する。
- 代表者は、プログラム開発者全員に選手権参加についての承認を得ていなければならない。代表者がプログラム開発者全員に選手権参加についての承認を得ているかどうか、疑義がある場合は、主催者が個々のプログラム開発者に直接確認を取ることがある。
- プログラム開発者は一つの参加プログラムのみに参加することができる。複数の参加プログラムのプログラム開発者名に同一の氏名がある場合には、主催者が調査を行う。それが同一人物と判明した場合には、参加の差し止めや順位の取り消しを行う。
(実行機種)
第6条
- 参加プログラムは、任意のコンピュータ、及び周辺機器(以下「マシン」とする)を使用することができる。ただし、騒音は出来る限り抑えなければならない。
- 使用電力が1000Wを超える場合、あるいは発生音が70dBを超える場合は、主催者にすみやかに連絡しなければならない。主催者が、予定された会場での対局が大会運営上困難であると判断した場合、別室での対局やリモート参加を指示する。
- マシンは、選手権の会場に持ち込むこととする。
- マシンは、参加者の責任で用意・準備し、会場に設置するものとする。
(リモート参加)
第7条
- 参加者が選手権の初日の前日までに主催者に申請し、主催者がやむを得ない事情があるとして認めた場合、又は主催者が前条第2項の規定により指示した場合には、指し手の決定を選手権の会場外にあるマシン(以下「リモートマシン」という)で行うことができる。これをリモート参加という。
- リモート参加の場合、参加者は、選手権の会場に持ち込み、LANを通じて対局サーバとの通信を行うためのマシン(以下「会場用マシン」という)を別途用意するものとする。
- リモートマシンとの間の指し手の送受信は会場マシン上で行う。その通信の接続・再接続は手動で行うことができる。
- 会場用マシンは、第3条で定める全機能を持たなければならない。
- リモートマシンの思考記録(少なくとも指し手と消費時間)は、残しておかなければならない。
(使用可能ライブラリ)
第8条
- 参加プログラムは、使用可能ライブラリを使用することができる。
- 使用可能ライブラリは、改造して使うことができる。その場合も、その使用可能ライブラリを使用したこととなる。ただし、改造した使用可能ライブラリそのものは公開しなくて良い。
(参加の可否の判定)
第9条 参加プログラムが参加資格を満たすかどうか微妙な場合、最終的な参加の可否は主催者が判定する。
第3章 試合方式
(シード順)
第10条
- 参加プログラムのシード順(開始時の順位)は、上位より、次の各号に掲げる順で決定される。
- 一 前回の決勝の順位
- 二 前回の2次予選の順位(決勝進出者を除く)
- 三 前回の1次予選の順位(2次予選進出者を除く)
- 四 上の一〜三に該当しないものは前々回順位
- 五 上の一〜四に該当しないものは前々々回順位。以下同様
- 六 初参加者(抽選順)
- 前項第六号の抽選は、1次予選当日、参加プログラムが確定した直後に行う。
- 参加プログラムの代表者は、そのプログラムについて、プログラム開発者全員あるいはその一部が同じである過去の任意の大会の参加プログラムの後継であると指定することができる。その場合、シード順はその指定された大会の順位に基づいて決定される。
- 参加プログラムの代表者は、そのプログラムについて、プログラム開発者全員あるいはその一部が同じである過去の大会の参加プログラムのいずれの後継でもないと指定することができる。その場合、初参加者扱いとなる。
- 過去に同一の参加プログラムの開発者であったメンバーが別々の参加プログラムのプログラム開発者となった場合、そのどれか1つの参加プログラムだけを後継とし、他の参加プログラムは初参加の扱いとする。どの参加プログラムを後継とするかは、参加プログラム代表者の申告によるものとするが、複数の参加プログラムから後継の申告があった場合は、主催者が扱いを決定する。
- 参加プログラムの代表者から第3項・第4項・第5項に定める指定・申告がない場合は、主催者が、どの参加プログラムの後継とするか、又は初参加扱いとするかを決定する。この場合、原則として、参加プログラムの開発者が重なる直近の大会の参加プログラムの後継とする。ただし、複数の参加プログラムが一つの参加プログラムの後継となることはない。
(予選・決勝の方式)
第11条
- 選手権は1次予選・2次予選・決勝を行う。
- 前条で規定されるシード順に基づき、上位から順に3プログラムが「決勝シード」となり、決勝から参加となる。決勝シードを除いた上位から順に16プログラムが「2次予選シード」となり、2次予選から参加となる。それ以外の参加者は、1次予選から参加となる。
- 決勝シード、及び2次予選シードは、大会開催年の3月31日時点で、参加申込を受理され、かつ不参加(参加の辞退、あるいは主催者による参加の差し止めのことをいう。以下同じ。)となっていない参加プログラム(以下「参加予定者」という)を対象に決定される。
- 決勝は、決勝シードおよび2次予選通過者の合計8プログラムにより、各7局の対戦を行う。
- 2次予選は、2次予選シードおよび1次予選通過者の合計24プログラムにより、各9局の対戦を行う。その上位5プログラムが、2次予選を通過して決勝に進出する。
- 1次予選は、決勝シードおよび2次予選シードを除く全参加者により、各7局の対戦を行う。その上位8プログラムが、1次予選を通過して2次予選に進出する。
- 1次予選・2次予選においては、大会の進行状況によって、総試合数を減ずる場合がある。
- 大会開催年の4月1日以降、2次予選の結果発表時までに決勝シードが不参加となった場合、決勝シードの繰上げは行わず、その分だけ決勝進出数を増やす。
- 大会開催年の4月1日以降、1次予選の結果発表時までに2次予選シードが不参加となった場合、2次予選シードの繰上げは行わず、その分だけ2次予選進出数を増やす。
- 第4項、第5項、及び第6項の方式は、大会開催年の3月31日時点での参加予定者数が28以上64以下の場合適用される。その時点での参加予定者数が27以下の場合は、1次予選は行わない。その時点での参加予定者数が65以上の場合、60を越える5チーム毎に、2次予選シードを1、1次予選から2次予選への進出数を1、それぞれ増やす。それ以降に参加予定者数が64以下となっても、これを減らすことはしない。
- 1次予選・2次予選において、その日の受付締切時刻までで確定した参加プログラムが奇数となった場合、主催者が任意のプログラム(以下「招待プログラム」という)を参加させる。招待プログラムは予選通過の対象とならず、次点の参加プログラムが繰り上げられる。
(遅刻・参加辞退等の取り扱い)
第12条
- 参加辞退の場合、決勝シード者は2次予選の試合結果発表時、2次予選シード者は1次予選の試合結果発表時、それ以外は1次予選の受付締切時刻までに主催者まで連絡しなければならない。
- 参加プログラムが、その日の受付締切時刻までに受付を済ませられない可能性がある場合、受付締切時刻までに主催者に遅刻の連絡をしなければならない。
- 1次予選・2次予選において、受付締切時刻までに受付を済ませず、主催者への参加辞退又は遅刻の連絡もない場合、参加放棄となり、その日以降の試合に参加することはできない。
- 決勝において、受付締切時刻までに受付をすませず、主催者への参加辞退又は遅刻の連絡がない場合、無断遅刻となる。この場合、受付を済ませて対局の準備ができた時点で、その日のそれ以降の試合への参加は認められる。
- 参加放棄、参加辞退の連絡の遅延、及び無断遅刻に対しては、主催者が警告や次回以降の参加制限等の措置を取る。ただし、交通事故・急病等、主催者がやむを得ない事情と認める場合は、警告や参加制限の対象とはならない。
- その日の最初の対戦が開始された後、参加プログラムの代表者からの申告があり、主催者がやむを得ない事情があると認める場合は、途中で棄権することができる。その場合、その日のそれ以降の対戦は不戦敗とする。
(組合せ)
第13条
- 完全スイス式とは、次の各号に掲げる規則に基づく組合せ法のことをいう。
- 一 各回毎に、その回の直前までの勝ち:1、引き分け:1/2、負け:0として成績によって組に分け、同成績の組で当てていく。1回戦の場合は全員同じ勝ち点とみなす。
- 二 同成績の選手が奇数のときなど、同成績で当てられなかったプログラムがある場合、成績の近い組のプログラムと当てる。
- 三 既に対戦しているプログラムとは当てない。
- 変形スイス式とは、完全スイス式において、その回の直前までの成績ではなく、2局前までの成績に基づく組合せ法のことをいう。
- 予選は、次の各号に掲げる方式で対戦の組合せを決定する。
- 一 1回戦は、完全スイス式で決定する。
- 二 2回戦は、1回戦で上位が勝ったと仮定した上で、完全スイス式で決定する。
- 三 3回戦は、変形スイス式で決定する。
- 四 4回戦以降は、完全スイス式で決定する。
- 予選の組合せ及び先後は、主催者が用意した組合せソフトを用いて決定する。組合せソフトで組合せが決定できない場合は、主催者が決定する。
- 決勝は総当り戦で行う。全対戦の対戦順、及び先後は、1回戦開始までに主催者が決定する。
(順位の決定)
第14条 順位は、引き分けを0.5勝0.5敗と換算した上で、次の各号に掲げる順に適用して決定する。
- 一 勝数の多い者を上位とする。
- 二 ソルコフ(すべての対戦相手の勝星の合計)の多い者を上位とする。
- 三 SB(負かした相手の勝星の合計)の多い者を上位とする。
- 四 ミディアム(負かした相手の勝星が最高と最低の2人を除いた相手の勝星の合計)の多いものを上位とする。
- 五 第一号から第四号までで同順位の者同士の対戦のみについて、DB(勝ち数-負け数)の多い者を上位とする。
- 六 シード順が上位の者を上位とする。
第4章 対戦方法
(対戦の方法)
第15条
- 対戦は、すべて平手戦とする。
- 対戦開始予定時刻は、審判がその10分前までに決定し発表する。
- 対戦は、対戦サーバを介して行う。
- 対戦開始の合図は対戦サーバから送られる。対戦サーバが利用できない場合は、審判が合図するが、両対戦者合意の上でそれ以前に開始することもできる。
- 遅刻・不在・マシントラブル等により、対戦開始予定時刻からの対戦開始が不可能な場合、対戦開始までの時間は、対戦開始が不可能な方の消費時間として加算されるものとする。
- 対戦サーバが利用できない場合、CSAの規定するRS-232Cプロトコルに則ったRS-232Cによる通信や手入力で対戦を行う。
- 対戦開始後は、手入力による対局で相手の指し手を入力する場合、審判に指示された場合、両対戦者合意の上で審判の許可を得た場合、およびリモート参加で会場用マシンとリモートマシンの通信の再接続を行う場合を除き、入力装置を操作してはならない。
- 対戦準備時、及び第7項に規定する入力装置の操作が許される場合の入力装置の操作は、参加プログラムの代表者、あるいはプログラム開発者が行うものとする。ただし、対戦開始予定時刻までに参加プログラムの代表者が主催者あるいは審判に申告した者(以下「代理人」という)が操作を行うこともできる。
- 対戦開始後に不慮の事故等で対戦が中断することがあった場合、審判が、中断局面あるいはその数手前の局面からの、RS-232Cによる通信や手入力での対戦再開を求めることがある。
- ソース変更・再コンパイル・相手に合わせたパラメータ調整等は、対戦中は行ってはならない。それ以外ならば、対戦と対戦の間であっても、任意に行うことができる。
(消費時間)
第16条
- 1手毎に、実際の消費時間を計測した上で秒未満を切り捨てたものを1手毎の消費時間とする。ただし、実際の消費時間が1秒未満の場合、1手毎の消費時間は1秒とする(1手につき最低1秒)。すなわち、計測された消費時間をx秒、このルール上の消費時間をs秒と表わすとき、x<2であれば、s=1とする。またnを2以上の自然数とするとき、n<=x<n+1であれば、s=nとする。
- 累積消費時間は、1手毎の消費時間を累積したものとする。
- 持ち時間は25分とする。すなわち、累積消費時間が25分以上となったら負けとなる。指した後、25分00秒なら、その手で相手が詰みでも負けとなる。
- 大会の進行状況によって、持ち時間を減ずる場合がある。
- LAN対戦の場合は、対戦サーバが、1手毎の消費時間を計測し、累積消費時間も管理する。対戦サーバが相手の指し手または対戦開始の文字列を送信し、それに対する指し手を受信するまでの時間が1手毎の消費時間となる。ネットワークによる遅延も消費時間に含まれる。
- RS-232C対戦あるいは手入力対戦の場合は、それぞれのプログラムの計測時間を用いる。なお、RS-232C対戦の場合、相手からの送信に対して、500ms以内に受信し、思考時間の計測を始めなければならない。ただし、リモート参加の場合、消費時間は会場マシンで計測する。すなわち、通信時間・通信が切断された場合の再接続時間も消費時間に含める。
- 消費時間の計測や表示に不正があった場合、審判が扱いを決定する。
(入玉宣言法)
第17条
- 次の各号に掲げる条件がすべて成立する場合、勝ちを宣言できる(以下「入玉宣言」という)。1つでも条件を満たしていない場合、宣言した方が負けとなる。
- 一 宣言側の手番である。
- 二 宣言側の玉が敵陣三段目以内に入っている。
- 三 宣言側が、大駒5点小駒1点の計算で
- 先手の場合28点以上の持点がある。
- 後手の場合27点以上の持点がある。
- 点数の対象となるのは、宣言側の持駒と敵陣三段目以内に存在する玉を除く宣言側の駒のみである。
- 四 宣言側の敵陣三段目以内の駒は、玉を除いて10枚以上存在する。
- 五 宣言側の玉に王手がかかっていない。
- 六 宣言側の持ち時間が残っている。
- 入玉宣言は、プログラムが行い、画面上に明示した上で「%KACHI」のコマンドを送信する。
(勝敗の決定)
第18条
- 勝敗は、次の各号に掲げる順で決定される。
- 一 当該の対戦の参加プログラム代表者、プログラム開発者、又は代理人による投了。なお、投了は、そのときの手番によらずできるものとする。
- 二 審判による判定。
- 三 対戦サーバによる判定。
- 投了の意思表示についてトラブルがあった場合は、審判がその有効・無効を裁定する。
- 勝敗が決定したら、すみやかに選手権事務局に報告されなければならない。
- 選手権事務局に報告された勝敗は、所定の場所に掲示される。勝敗は、それに基づく組合せの発表時、又はその日の試合結果発表時で確定する。それ以降は、報告された結果に誤りがあっても、訂正することはできない。
(審判による勝敗判定)
第19条
- 次の各号に掲げる場合、審判はそのプログラムの負けと判定することができる。
- 一 将棋のルールに則った指し手が存在しない局面になった場合。
- 二 累積消費時間が指定された持ち時間に達した場合。
- 三 ルール上指せない手を指した場合。
- 四 相手が正当な入玉宣言を行った場合。
- 五 正当でない入玉宣言を行った場合。
- 六 LAN対戦において、CSAサーバプロトコルver.1.1.2に規定されない通信を行った場合。
- 七 RS-232C対戦において、CSAの規定するRS-232Cプロトコルに規定されない通信を行った場合。
- 八 5手目思考開始後、通信・OS等の原因の如何にかかわらず、プログラムの終了等により指し手の入出力が不可能となった場合。ただし、通信時に不正な文字列が送られてきた場合、それを画面に表示後、その表示を確認できる状態でプログラムが終了した場合はその限りではない。
- 九 異常終了の疑いがある(OSによるError Message表示の後停止した場合など)・通信トラブルがあった等の理由で審判により中断を求められたときに、電源を落とす以外の方法で中断できない場合。
- 十 中断後、審判が指定した局面・手番・消費時間からの再開がスムーズにできない場合。
- 千日手は指し直さず、引き分けとする。ただし、連続王手の千日手(同一局面の最初と4回目の間の一方の指し手が王手のみだった場合)は、連続王手をかけていたほうが負けとなる。千日手の判定は、LAN対戦の場合対戦サーバが行う。それ以外の場合は、審判、又は当該の対戦の参加プログラム代表者、プログラム開発者、若しくは代理人の申し出により、主催者が用意した千日手判定プログラムにより行う。
- 通信ケーブルや電源切断等の事故により中断した場合は、審判が扱いを決定する。
- 対戦開始後一定の時間が経過しても対戦が終了しない等、大会の進行上問題が生じた場合、対戦の途中であっても、審判が勝敗(引き分けを含む)を決定する。
- その他、トラブルがあった場合は、審判が勝敗・引き分け・再戦・途中局面からの再開等の扱いを決定する。
(棋譜)
第20条
- 選手権の各対戦の棋譜は、主催者の判断で、自由に使用や公開ができるものとする。
- RS-232Cによる通信あるいは手入力で対戦が行われた場合、その対戦の直後に棋譜ファイルをコピーし、選手権事務局に提出する(3.5インチフロッピーかUSBフラッシュメモリを推奨する)。
- 第2項の棋譜ファイルの形式は、CSA標準棋譜形式でなければならない。
- 第2項の棋譜ファイルには、一手ごとの消費時間も記録する。
第5章 参加プログラム等の保存およびクレーム期間
第21条
- 参加プログラムの代表者は、選手権の対戦で用いた全てのバージョンの参加プログラムの実行ファイル、データなど、選手権の状況が再現できるもの(以下「大会版プログラム」という)を、決勝終了の翌日から1年間保存しなければならない。
- 参加プログラムについて、本規程に定める参加資格を満たさないとのクレームがあった場合、主催者が設けた調査委員会で調査を行う。調査委員会については別途定める。
- 調査委員会は、クレームが正当であると判断した場合、大会版プログラムの提出を要求し、その調査を行う。また、リモート参加の場合は、リモートマシンの実物のチェックを要求することがある。
- 参加プログラムの代表者が前項の要求に応じない場合、また、調査委員会が、調査の結果、本規程に定める参加資格を満たさないとの判断を示した場合、主催者は入賞の剥奪や次回以降の参加制限等の措置を取る。
- クレームの期限は決勝終了の翌日から6カ月とする。
付則
(施行期日)
第1条 この規程は、平成19年12月20日から施行する。
(正本)
第2条 本規程は日本語版と英語版を作成する。その解釈に疑義のある時は、日本語版を以て正本とする。